dr420 飢えが原動力?
 新聞によると、ポリエチレンテレフタレート、通称PET樹脂を二酸化炭素と水に完全に分解する微生物群について、学会発表があったのだという。他の栄養の無い条件下では、数ヶ月のうちにPET片を完全に分解することの可能な微生物群をみつけたという主旨らしい。
 また、新聞記事によると「安く耐久性に優れ」ているために「大量消費される一方、リサイクルで品質が劣化するため、最終的には埋め立てや焼却処理されている」PETについて、この研究チームのメンバーから「微生物の力で環境負担のない処理ができるかもしれない」とのコメントがあったのだそうだ。

 バイオレメディエーションで、ダイオキシンなどの環境中に微量に存在する有機物の濃度を規制値以下に下げていこうという方法と、この記事のようなPETのように大量にあるものを分解しようということでは、全く意味が異なるのではないか。
 廃棄された大量のPETであれば、1) リユース(再使用:上記記事中の「リサイクル」の語句は、この意味で用いているものと推定する)の可能性を考え、それが不可能であれば次に 2) リサイクル(再資源化)により新たな樹脂原料として用い、それも技術やコスト的に難しいのであれば、3) 燃焼による熱利用(廃棄物発電)の方がよいと思われる。燃焼のためであれば、必ずしも完全な分別も必要ないだろうし。
 これを、微生物によりPET を二酸化炭素と水に分解するだけでは、その酸化反応の反応熱すら利用できないことになるし、その上、反応生成物は、燃焼時と同じである。二酸化炭素を出さずに炭酸カルシウムとして沈着するだとか、メタンガスを発生するので、バイオマスとして利用でき、燃料電池で発電することができる、などというのならば、非常なる利用価値があるといえよう。

 あんな丈夫そうな樹脂が細菌により分解されるというコト自体はとても驚きだ。なんとも微生物の適応能力の凄さには感心させられる。
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by shinakaji | 2005-03-29 23:59 | review


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